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 <取材レポート> 第8回全日本最優秀ソムリエコンクール

2017/4/24

2017年4月11日(火)・12日(水)、第8回全日本最優秀ソムリエコンクール本選が、東京都目黒区の目黒雅叙園で開催されました。

3年に1度開催され、日本一のソムリエを決めるこのコンクール。
歴代優勝者には、3度の優勝経験を持つ石田博氏をはじめ、阿部誠氏、佐藤洋一氏、森覚氏、谷宣英氏がおり、ソムリエ界の国内最高峰の大会です。

ワインだけにとどまらず、あらゆる飲料に関する知識・技術・語学・資質などが国際基準をもって問われるようになり、年々参加者の規模やレベルが高まる中、第8回を迎えた本年は、全国から129名のソムリエがエントリー。
予選を勝ち抜いた24名が準々決勝へ進み、準決勝は10名枠に12名が選出される混戦の中、5名が決勝に進出。満員の会場で800名の観客が見守る中、今大会出場者中最年少の岩田渉氏(Cave de K)が優勝を果たしました。

岩田氏は、2018年に京都で開催される第4回アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクールの日本代表として次なる優勝を目指します。

第8回全日本最優秀ソムリエコンクール 結果発表
優勝  岩田 渉 (京都・滋賀支部) Cave de K
2位  井黒 卓  (神奈川支部) ロオジエ
3位  野坂 昭彦 (東京支部)  ホテルニューオータニ
4位  森本 美雪 (神奈川支部) コンラッド東京
4位  星山 厚豪 (兵庫支部)  YAKINIKU HOUSE れんがや


岩田 渉
第2回Wine of Portugal
ソムリエ・オブ・ザ・イヤー 第2位
同志社大学在学中に3年間ニュージーランドへ留学し語学力を磨く。
現在は、京都のワインバー「Cave de K」にてソムリエとして就業中。

2日間にわたり熱い戦いが繰り広げられましたが、取材を通して、現代のソムリエがワインの知識のみならず、リキュールや日本酒、茶など飲料全般に関する知識と、 世界で通用する語学力、そしてサービス提案力、そのいずれにおいても高い専門性を求められていることを実感しました。


決勝では5名中、4名が若手で占められる結果となり、運営関係者からも「世代交代」というキーワードが多く聞かれました。
レストランで働く人だけではなく参加資格が広がったこと、若手ソムリエの登竜門となるJ.S.A.ソムリエ・スカラシップから若い世代がしっかりと育ってきていることがコンクールの質を上げ、裾野を広げていることがうかがえました。


サーブする華やかな姿の裏には、力仕事も多く、職業人としての比率は圧倒的に男性が多いソムリエ業界。協会関係者はコンクールの中で、女性の活躍にも触れ、女性ソムリエの活躍をさらに活性化するために、継続して長く働くことができる続ける環境も整えていきたいとのコメントがあり、業界全体の大きな変化を感じました。



<準決勝 決勝進出者5名が決定!>


4/12(水)午前中は非公開決勝!出題と回答は全て英語です。




<ワインリストから間違いを探し出す審査。与えられた3分間で英語で回答する。写真は岩田渉氏>






<スライドの画像を見て回答をする審査。設問が3秒間映し出され、8秒間で回答する。>


<ブラインドテイスティング。10種類の飲料について5分で行う。銘柄をわかる限り詳細に回答。>

<カクテルを作る審査。写真は野坂昭彦氏(ホテルニューオータニ)>


午後に行われた公開決勝!こちらも出題と回答は全て英語で行われます。



<ステージの2つのテーブルにサービスをしながら審査が行われます。>






<第1問 ビュッフェディナーのメニューに合わせてワインを提案する。>


<第2問 最初のテーブルにSauternes Chateau Doisy Vedrines 2013 を12分でサーブ。ワインに合う前菜の提案も求められます。
写真は井黒卓氏(ロオジエ)>


<第3問 2番目のテーブルにClos du Val Reserve Cabernet Sauvignon 2011をデカンテーションしてサーブ。時間は12分。サーブする間にも、審査員が質問を次々と投げ掛けます。 続いて第4問 グラスに注がれた白ワインについてコメントします。>


<第5問 2種類の赤ワインをブラインドテイスティング。生産者のプロフィール、プライスレンジなどについて7分間でコメントします。>


<800名で埋め尽くされた会場。観客も真剣なまなざしで審査を見つめます。>


<最後に決勝進出者5名が一斉にステージに立ち、シャンパーニュのマグナムボトルを20グラスに注ぐ。ただしそのうち10グラスは半分の量にするという課題に挑戦!>


<大会委員長の田崎真也氏による優勝者の発表!優勝した岩田氏>


コンクール終了後の取材では、アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール京都大会への意気込みを語ってくれました。
A.S.I世界最優秀ソムリエのジェラール・バッセ氏(2010年)と田崎真也氏(1996年)のお二人は今年のコンクールのレベルの高さとともにシンガポールや中国などアジアの国々に負けない語学力と人間力をさらに磨いてほしい、とエールを贈りました。