2016年12月15日10時より、農林水産省主催の外国人シェフによる日本料理コンテスト「和食ワールドチャレンジ2016」決勝が服部栄養専門学校にて開催され、16時30分からはセルリアンタワー東急ホテル地下2階の朝霧にて表彰式が執り行われました。
世界26か国・地域から105名(205レシピ)の応募の中、書類・試食審査を通過した10名のシェフが来日しました。
決勝戦では、応募料理1品と課題料理である鯵つみれ味噌汁と土鍋炊飯の合計3品を制限時間2時間の間に調理し、味や盛り付けなどを評価する試食審査と和食技術や衛生管理などを評価する技能審査の総合評価を踏まえて、厳正な審査が行われました。
栄えある第4回目の金賞には、マレーシアの高級寿司店「寿司織部」に勤務するチョン・チェン・ロン氏(31歳)が選ばれ、金賞のトロフィーが授与されました。
チョン・チェン・ロン氏は今回の大会に出場する為支えてくれた関係者や家族へ感謝の意を述べ、今回学んだことをこれからの自分の料理に活かし、真の和食のあり方を伝えていきたいとコメントしています。
審査委員長を務めたサザビーリーグ アイビーカンパニー最高顧問の熊谷喜八氏は、「第1回から年々レベルが上がり審査にとても苦労をしたと同時に、外国人の皆さんが応募時に綴った日本料理への思いに日本人として嬉しく思い、今後も日本料理の伝道師として世界で活躍してほしい」とエールを贈りました。
以下、入賞者
銀賞 ショーン・プレスランド氏 45歳(オーストラリア)
銅賞 ソンクラーン・コムニュー氏 35歳(タイ)
和食はユネスコの無形文化遺産に登録され、今では海外における日本食レストランが10年前より約4倍も増えていると言われています。
和食ワールドチャレンジは世界各国・各地域で日本料理に取り組む優れた外国人シェフ達を見出し、日本料理の魅力を世界中に発信していく事を目的としており、今後、日本料理が更に世界中へ普及するためにも、外国人シェフ達の活躍が期待されます。
<金賞に輝いたチョン・チェン・ロン氏(マレーシア)>
<金賞作品:アカムツのけんちん焼き>
<技能審査の様子(服部栄養専門学校)>
服部栄養専門学校にて行われた技能審査の様子は、YouTubeにて生配信され、各国へその模様が届けられました。
15分間隔で入場してきたファイナリスト達は緊迫した雰囲気の中、調理を黙々とこなしていました。
<審査員へのプレゼンテーション>
調理後選手たちは審査員へプレゼンテーションを実施。
調理や食材の調達方法、目利きなどについて鋭い質問が飛び交う場面もありました。
<入賞の3名と和食ワールドチャレンジ実行委員会役員の方々>
主催者代表、齋藤健農林水産副大臣(選手右)と実行委員長の農林水産物等輸出促進全国協議会の茂木友三郎会長(選手左)、
5人の決勝審査員(下記順不同)
- 熊谷 喜八氏 サザビーリーグ アイビーカンパニー・最高顧問
- 服部 幸應氏 服部学園 服部栄養専門学校・理事長/校長
- 風戸 正義氏 国際すし知識認証協会理事長・「さかえ寿司」代表
- ドミニク・コルビ氏 「メゾン・ド・ミナミ」総料理長
- 秋山 能久氏 「六雁」総料理長
<受賞者とともに闘い抜いたファイナリストたち>
左から
- ミーガマ・グルンナセラゲ・ドン・マリッ・ウィジェクーン氏(31歳・スリランカ)いこい亭(ヒルトン コロンボ)日本料理部門副料理長
- ジョー・キムラ氏 (30歳・スコットランド)「オイラン」オーナー・ヘッドシェフ
- ブライアン・S・エンペラー氏(48歳・アメリカ合衆国)「ファイブ・ゴールド」シェフ・コンサルタント
- ジョシュ・ディケリス氏(43歳・アメリカ合衆国)「イル・ブーコ・アリメンタリ・エ・ヴィネリア」エグゼクティブ・シェフ
- ショーン・プレスランド氏(45歳・オーストラリア)「キスメ」エグゼクティブ・シェフ(銀賞受賞)
- チョン・チェン・ロン氏(31歳・マレーシア)「寿司 織部」シェフ・アシスタント(金賞受賞)
- ソンクラーン・コムニュー氏(35歳・タイ)「大阪料理 菜の花」料理人(銅賞受賞)
- 蔡明谷氏(36歳・台湾)「千生和割烹料理」料理人
- ネオ・グオ・キン氏(34歳・シンガポール)「ファット・カウ」スーシェフ
- ピルク・イオヌッツ氏(26歳・ルーマニア)「トウキョウ・ジャパニーズ・レストラン」キッチン S.ヘッドシェフ
~ファイナリスト作品紹介~
ミーガマ・グルンナセラゲ・ドン・マリッ・ウィジェクーン氏
「私を壊して、食べて!きんぴら入り芋団子」
ジョー・キムラ氏
「サバの味噌煮、リンゴ、ショウガ、冬野菜添え」
ブライアン・S・エンペラー氏
「キングサーモンの石焼きと冬野菜の味噌バター添え」
ジョシュ・ディケリス氏
「茹でた大根と寒ブリ」
ショーン・プレスランド氏(銀賞作品)
「きんぴらチキンのバルサミコ照り焼きソースあえ」
ソンクラーン・コムニュー氏(銅賞作品)
「蓮根菊花まんじゅう磯辺あんかけ」
蔡明谷氏
「日本小丸なすとサザエの柚子こしょうクリーム」
ネオ・グオ・キン氏
「寒ブリとたたきと冬の煎り酒」
ピルク・イオヌッツ氏
「サケと西京焼きとナス田楽、エノキダケ、アップル&マスタード・ビネグレット」